ドバイで空手と尺八という日本文化を体現するカマル氏。多文化の中で伝える和の精神性

カイル・カマル・ヘロウ(Instructor, Harmony Shotokan Karate-Do / TOKIWA Shakuhachi Player)。レバノン生まれ、アメリカ出身。20代で日本空手松涛連盟(JKS)に入門。2008年、日本本部の「指導員稽古制度」を修了し、創設以来で唯一の非日本人修了者として認定される。その後、6段を取得し、正式な師範として活動を開始。09年、JKS中東ディレクターとして30以上の道場を統括。現在はドバイで「Harmony Shotokan Karate-Do」を設立、次世代の育成に力を注ぐ。また、19年に琴古流尺八師範免許を取得。ドバイを拠点に和楽器ユニット「TOKIWA」のメンバーとしても活動し、24年のTODA公演「The Echoes of Japan」では、360度映像と伝統音楽を融合させた舞台を成功させた。

Desert Icons Vol. 13 カイル・カマル・ヘロウ(Instructor, Harmony Shotokan Karate-Do / TOKIWA Shakuhachi Player)。砂漠の都市からグローバルハブへの進化。ドバイの発展を牽引するキーパーソンに迫り、彼らの革新と成功の秘密を探求する。

多文化の中で育てる“武道の心”とは

--出生や日本との関わりについて教えてください
 私は戦時中のレバノンで生まれ、幼い頃から平和や調和、そして理解への深い憧れを抱いて育ちました。その後、アメリカに移住し、ペンシルベニア州のヴィラノバ大学で哲学を学び、そこで日本の哲学に出会いました。

メイダンのLLFPM Schoolで行っている空手指導。3歳から大人まで参加可能。無料体験クラスも登録受付中 info@hskd-academy.com, https://hskd-academy.ae

--空手との出会いについては
 8歳の頃、兄が空手の稽古をしているのを見て、松濤館空手と出会いました。自分もすぐに始めたかったのですが、当時は子ども向けのプログラムがありませんでした。本格的に松濤館空手の道を歩み始めたのは20代前半。二段を取得した後、日本で本格的に修行を積む決意をしました。

--日本時代のことを教えてください
 2001年に日本へ渡り、空手の本質と精神を深く学ぶために本場での修行に没頭しました。最初は帝京大学で、その後は日本空手松涛連盟(JKS)の本部道場で、香川政夫師範の直接指導の下で稽古を重ねました。また、空手の修行と並行し、尺八も学びました。

--ドバイのような多文化都市で、どのような面を重視して空手を教えていますか
 あらゆる文化背景を持つ子どもでも、誠実さと規律には心を動かされます。私たちの道場では、日本武道に根ざした価値観、例えば礼や忍耐、責任、そして思いやりを教えています。毎回の稽古の中で、礼に始まり、礼に終わる形式、一貫した練習、行動に対する責任を生徒たちに訴えています。

動と静、日本文化の両極から伝える精神性

外国人として日本の本部道場で修行をするというのは並々ならぬ苦労があったが、現在では中東で多くの人材を指導する立場になっているカマラ氏

--中東で空手は広まる可能性があると思いますか
 間違いなく、空手は中東で大きく発展する可能性を秘めています。この地域では、伝統や教育、そして人間としての成長が重視されています。空手は、それらの価値に合致しますし、子どもたちに規律と自信、そして礼節の精神を育む場を提供してきました。多くの親御さんが、ただの娯楽ではなく、意味のある成長の場を求めています。

--尺八を始めたきっかけは何ですか
 アメリカで生活していた頃、尺八に出会い、その音色に魂が揺さぶられるような感覚を覚えました。その音は、古く、素朴でありながら、とても人間的で、心の奥底に直接響きます。2019年には、日本で尺八師範免許を正式に授与されています。

尺八、箏、太鼓などの日本伝統楽器を用い、モダンな演出で日本文化を発信するユニット「TOKIWA」。マディナットジュメイラのTODAで公演を行っている

--ドバイという都市で、尺八を演奏することには、どのような意味がありますか
 ドバイのようなスピード感とテクノロジーにあふれた都市では、尺八の音はまるで静寂の中のささやきのように響きます。その音は喧騒を貫き、人々に「立ち止まり、呼吸し、感じる」時間を与えてくれるもの。コントラストに満ちたドバイという都市の中で、尺八は「静」の価値を思い出させてくれます。

--空手とは異なる、尺八を通して伝えたいことはありますか
 空手は、動き、規律、力強さを通して日本の精神を表現しますが、尺八は、静寂、呼吸を通して、その精神を表現します。どちらも深い内面的な修行であり、己や他者に、そして人生に「礼を尽くす」ことを教えてくれました。尺八を通して私が伝えたいのは、より繊細な日本文化の側面。自然への畏敬、無常の美、可視化できない豊かさ。そうした精神を、私は一音一音に込めています。

--今後のプランを教えてください
 UAEに、日本文化を軸にした“文化センター”を創設したいと考えています。空手や尺八だけでなく、生け花や茶道、書道など、日本の伝統芸術を通して、平和教育を行いたい。ここで学び、育ち、世界に戻って日本文化を広めていく、そんな「平和の拠点」を作るのが私の夢です。精神を、私は一音一音に込めています。

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