船だけじゃない、陸もDXも。日本郵船がドバイを拠点に挑む、次世代の世界海運戦略。

日本郵船グループ U.A.E.国代表/中東地域代表 地紙信幸
2004年キャリア入社。自動車船グループで中近東航路の運航、豪州航路では日系自動車メーカー向け営業を担当。その後、郵船ロジスティクスタイランドへ出向し自動車部品物流に従事。約8年間、自動車関連物流の最前線を経験した。帰任後はバルク・エネルギー分野に転じ、営業企画や国内電力会社向け営業を約7年間担当。2023年10月にUAE国代表としてドバイ着任、2024年4月より中東地域代表を務める。

Desert Icons Vol. 22 日本郵船グループ U.A.E.国代表/中東地域代表 地紙信幸。砂漠の都市からグローバルハブへの進化。ドバイの発展を牽引するキーパーソンに迫り、彼らの革新と成功の秘密を探求する。

日本郵船が見据えるインド洋経済圏「IOR」

--日本郵船の世界戦略において、ドバイはどのような位置づけでしょうか?
地紙 日本郵船として、「IOR(Indian Ocean Rim)」と言われるインド洋を中心とした経済圏に注力していこうとしています。インド、中東、そしてアフリカの東海岸から南へ。このインド洋を囲むエリアの物流を、今後力を入れていきたいです。そのとき、やはりドバイを拠点にこのエリアを見ていく、というのが選択肢の一つだと考えています。また、ドバイの将来性としては、IORのみならず、大西洋と太平洋の両方の接結点であり、例えば、ドライバルク戦略としてはWorld Wide配船の拠点にもなり得る将来性があるとも考えております。

--ドバイ事務所の歴史を教えてください
地紙 1970年代前半から日本人駐在員がおりました。当時はポートラシッドが港で、そこに船舶代理店のGAC(ガルフ・エージェンシー・カンパニー)があり、当時から一緒にやってきたという経緯があります。海外から自動車や一般貨物を運び始めたのも1970年代で、カタールガスとは1990年代からの付き合いです。もう50年以上、この地で事業をしています。

ジュベルアリ港に停泊する日本郵船の自動車専用船「DENEB LEADER」。月に8~10隻がペルシャ湾に入港し、約5万台の完成車を運ぶ

--ペルシャ湾にはどのくらいの船が来ていますか?
地紙 弊社の自動車船だけで月に8隻から10隻来ています。1隻あたり約5,000台積めるので、月に約5万台近い車がペルシャ湾に入ってくる計算です。さらに、タンカーやドライバルク(鋼材など)の船も含めると、弊社だけで月に15隻ぐらいがペルシャ湾に来ています。フーシ派(イエメンの武装組織)による紅海の商船攻撃により、通れなくなった以降、一部紅海向けをペルシャ湾へ配船変更しており、特に船が多い状況です。

--イラン情勢が緊迫するとどうなりますか?
地紙 ホルムズ海峡が封鎖される可能性、あるいは封鎖にはならなくとも、危険度が高まれば、何かしら運航に影響します。実際、2025年6月のイスラエル・イラン問題のときは、かなり緊張が走りました。私も駐在員の安否確認を含めて東京に報告を上げましたし、元船長のセキュリティ担当がいるのですが、彼が中心となって情報収集に当たりました。

世界一の自動車船。「船だけじゃない」強み

--欧米や中国の巨大船会社が中東で勢いを増していると聞きます
地紙 どの産業でも同じだと思いますが、やはり中国企業の勢いを感じます。中国のEV車がどんどん本国から輸出され、その貨物を運ぶための自動車船も大量に製造されています。海運業の世界は、需要と供給のバランスで運賃が決まる部分もあり、船が余り過ぎれば当然運賃マーケットに悪影響を与える可能性もあります。

--完成車物流のバリューチェーンにおいて、他社に負けない強みは何でしょうか?
地紙 世界全体で見ると、やはり世界一の自動車専用船の船隊規模を持っていることです。ヨーロッパやアジアでは、自動車専用ターミナルの運営もしていますし、そこに付随する物流、つまり船だけじゃなくて、陸上輸送(キャリアカー、鉄道輸送など)や保管も含めたノウハウを世界中に展開できています。それが強みだと思います。

オマーン・ドゥクムで開催された「Duqm Economic Forum」。日本郵船はIOR(インド洋経済圏)戦略のもと、湾岸諸国との連携を強化している

--船と陸、両方のノウハウがあるということですね
地紙 そうですね。世界で20箇所以上のターミナルを運営していて、そこで培った知見がある。完成車という意味では、自動車産業全体に寄与できていると思います。あとは、やはり一過性の付き合いではないということ。中東でも50年以上、日系のお客様とも長期目線で関係を築いてきました。ワンショットで終わりじゃなくて、長期的なパートナーシップを大事にしているのが、強みだと思います。

--2026年、御社は「Let machines do what machines can」という方針でDXを加速させていますが、技術革新が進んでいますか?
地紙 中東の現場では、特別な取り組みはまだないのですが、会社全体では自動運航を進めています。車の自動運転と同じですね。あとは港での荷役のIT化、ロボット化。運航効率や安全面、業務プロセスの改善という意味でのDX化は、いろいろと進めています。

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