”美と信頼の経営“ エリントンプロパティーズ共同創設者兼CEO エリー・ナーマン インタビュー

Executive Dialogue Vol. 20 エリントンプロパティーズ共同創設者兼CEO エリー・ナーマン。Gates Dubai代表の永杉がUAE・日本の第一線で活躍するリーダーと対談し、ドバイをはじめとするUAEの実相に迫ります。

エリントンプロパティーズ共同創設者兼CEO エリー・ナーマン
レバノン出身。ホスピタリティ業界を起点に、不動産・建築・デザインの分野で20年以上の経験を積む。2014年にEllingtonProperties (エリントンプロパティーズ)を共同創業。質と創造性、そして顧客体験を重視し、コミュニティを意識した設計や環境に配慮した開発を数多く手掛けてきた。社内の強固なチームワークを基盤にした、卓越したものづくりと顧客満足を追求する姿勢は高く評価されている。

飽くなきデザインへの追求。最大ではなく最良を目指す

永杉:今回は、ドバイを代表する不動産デベロッパー、エリントンプロパティーズの共同創設者兼CEOのエリー・ナーマンさんにお話を伺います。ナーマンさんは中東地域の不動産業界で20年ほどのキャリアがあり、2014年にエリントンプロパティーズを設立しました。創業からおよそ10年ですが、これまでに3,000戸以上という多くの住宅を供給しつつも各プロジェクトの品質が極めて高いと評判で、今はUAEを代表するデベロッパーとしての地位を確立しました。まずは、これだけの急成長を支えたエリントンならではの強みを教えて下さい。

ナーマン:我々が手掛けるすべてのプロジェクトに通底する理念は「Live By Design(デザインに生きる)」です。居室はもちろん、ロビーやジムなどの共有部に至るまで、すべてを熟考してデザインしていると自負しています。美的なものに対する徹底的なこだわりこそがエリントンの核であり、他のデベロッパーとの大きな違いと言えるでしょう。
我々は常日頃から「最大のデベロッパーではなく、最上の評価を得るデベロッパーを目指そう」と言い続けています。過去7~8年間にわたり、当社の顧客満足度は90%を超えています。顧客が日々の暮らしをまるで旅するように楽しめるような住居を提供し続けられていることが、成長の一因だと分析しています。

失敗を経て辿り着いた創造性と採算性の両立

永杉:デザインや品質への徹底的なこだわりというわけですね。一方で、そうしたこだわりは、時に採算性を脅かす可能性があるのではないでしょうか?

ナーマン:我々の最初期のプロジェクトである「ベルグラビア」は、まさにその失敗を犯しました。この物件を販売する際、我々はショールームでお客様に案内していた仕様がありました。ところが、建物の構造が完成し、現場で実物大のモックアップを確認したところ、カウンタートップのサイズが約束より小さくなっていたのです。現場担当者に理由を尋ねると、「予算を超過したためコストを抑えた」とのことでした。しかし私たちは、「たとえ損失が出ても、お客様との約束を守ることが最優先」と判断し、すべてを当初の仕様に戻しました。結果としてプロジェクトの収益は悪化しましたが、その選択に後悔はありません。お客様の満足こそ、私たちが最も重視すべき価値であると改めて気づかされたのです。この経験は、現在の価格設定や品質管理の基準づくりに大きく活かされています。

永杉:開発チームが求める品質と、採算性とのバランスをどのように取っているのでしょうか?

ナーマン: 建築家やデザイナーは非常に創造的で野心的ですが、時にはそれが行き過ぎてしまうことがあります。そうすると予算が膨れ上がり、資材調達や工期の面でも非現実的となってしまいます。そこで、我々は創造性と採算性のバランスを取る専門の部署を作りました。美しいデザインは我々の核ですが、一方でビジネスとして現実的な範疇であるように調整することは、我々が日々挑戦し続けていることです。

政府系デベロッパーが台頭していくなかで、民間デベロッパーの躍進の一つとして挙げられるのが、エリントン。今やドバイを代表するデベロッパーになっている

永杉:エリントンはUAE各地でプロジェクトを手掛けていますが、ここではドバイに絞って話を聞きます。不動産ビジネスをするうえで、その街自体に魅力があるということは重要な要素だと思います。ナーマンさんが思う、ドバイの魅力を教えて下さい。

ナーマン:ドバイと言うと、まず話題に上がるのは「税金の安さ」ですよね。もちろん、それも魅力の一つです。しかし、それだけで多くの移住者や投資を呼び込むことはできません。税制以外にも、この街はあらゆる面で世界中の人々を惹きつける魅力に溢れているのです。
まず、インフラは世界トップクラスです。半年ドバイを離れて戻ってくれば、新しい道路ができているほど、都市インフラへの投資は巨大です。約2,000億ディルハム(約8兆円)をかけたアール・マクトゥーム国際空港の工事も進んでいます。
生活の便利さも世界一ではないかと思っています。例えば「CAFU」というサービスを使えば、自分は家にいたままでCAFUのスタッフが車にガソリンを入れに来てくれるというサービスもあります。ドバイは24時間眠らない街ですから、朝の4時に食事をしたくなったとしても、あらゆる選択肢から選ぶことが可能です。ヘルスケア分野の進化も著しいものがありますし、安全面も極めて高いレベルにあります。レストランのテーブルにスマホを置き忘れても、取られることはありません。
こうした多くの魅力が人々を惹きつけ、今やニューヨークやロンドンをも凌駕するほどの世界的な都市に成長しつつあると思っています。

日本人の仕事への感性はエリントンの哲学と通ずる

永杉:エリントンは日本の投資家からも注目を集めています。日本やアジアの投資家をどのように見ていますか?

ナーマン:過去3~4年で、日本は我々にとって非常に良い市場に成長したと言えます。どうして、このように日本の皆様に評価していただけるのだろうと考えていたのですが、その疑問は私が日本に行って日本人のおもてなしを見たことで氷解しました。
まずは空港についたとき、荷物がベルトコンベアに落ちてくるところで、女性スタッフが手袋を嵌めた手で一つ一つ丁寧に受け止めているのを見て、その光景に感動しました。他にも、ホテルでは外でランニングをして帰ってきたとき、冷たい水とタオルを用意して出迎えてくれました。こうしたことから、日本人は自らの仕事に対して細部まで深いこだわりを持っている国民だと理解できました。これはまさに、我々エリントンの哲学そのものなのです。日本人は、我々の仕事に対して共通する何かを見出してくれるからこそ、当社の物件を選んでくれるのだと理解しました。
そして、日本以外のアジアの市場も、我々は非常に重視しています。シンガポールや香港のように成熟した市場の投資家は不動産に対する知識が豊富で、我々の物件の真価を正しく理解してくれるからです。こうした優れた審美眼を持つ投資家との関係は、今後さらに広げていきたいと願っています。

永杉:日本人に対するそのような目線は嬉しい限りです。実際に、エリントンはドバイの不動産デベロッパーの中ではめずらしく、日本人専任スタッフが在籍しています。こうしたことからも、エリントンが日本市場を強く意識していることがわかりますね。投資を行えばゴールデンビザが取得できることからも、日本人のドバイへの投資熱は年々高まっていると実感しています。今後もエリントンは大きく伸びていくのではないでしょうか。本日は、お忙しい中ありがとうございました。

永杉豊。Gates Media FZCO CEO。UAE・ドバイ在住。UAEのビジネスおよび観光情報に特化したメディアを運営し、バイリンガル月刊情報誌『Gates Dubai』をUAEと日本で発行。オンラインメディアでは日本語・英語・アラビア語の3言語で情報を発信している。「日本人だけが知らない砂漠の経済大国UAE・ドバイ」における日本のプレゼンス向上と、日本国内でのUAE理解促進を目指し、日本、米国、ミャンマーに続き、2023年10月にUAE現地法人を設立。

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