日本アラブ首長国連邦協会 西克司会長(前編)「日本の学生がCOP28視察で先進的なUAEの姿を体感」
Executive Dialogue Vol. 8 日本アラブ首長国連邦協会 西克司会長。Gates of Dubai代表の永杉がUAE・日本の第一線で活躍するリーダーと対談し、ドバイをはじめとするUAEの実相に迫ります。
設立半世紀を迎えた日本アラブ首長国連邦協会
永杉:今月は、日本アラブ首長国連邦協会(以下、日本UAE協会)会長であり、アブダビで油田開発を行うアブダビ石油株式会社の社長である西克司さんにお話を伺います。はじめに、西さんの来歴から教えてください。
西:私は1988年にコスモ石油株式会社に入社しました。工学部出身なので、入社後しばらくは研究所で潤滑油の開発を行い、その後は経営企画部等で新会社設立や新規投資事業案件などに関わりました。原油生産に携わることになったのは2015年にコスモエネルギー開発株式会社という石油開発部門を統括する会社に異動してからです。そして、20年に関係会社であるアブダビ石油の社長に就任。21年にはコスモエネルギー開発の社長に就任しました。また、同年、日本UAE協会の会長に任命されました。
永杉:今年は日本UAE協会にとって節目の年と聞いています。
西:当協会は1970年、日本アブダビ協会として発足したのが始まりです。翌71年2月にUAEが建国され、74年に日本UAE協会へと改組しました。ですから、改組からちょうど半世紀になります。それから今日に至るまで、両国の経済・文化の交流を目的とした活動を続けてきました。
永杉:会長就任から3年が経過しました。振り返ってみていかがですか。
西:会長に就任したら頻繁に現地に行き、足を使って関係を深めたいと考えていたのですが、コロナ禍で出鼻をくじかれる格好になりました。初めてしっかりとした形で現地を訪問できたのは、22年3月に行われた日・UAEの外交関係樹立50周年を記念した能の公演の時です。本格的に活動できるようになったので、今後も積極的に現地に行きたいですね。
COP28は未来につなぐイベントだから若者に見てもらうことが大切
永杉:近年は両国に関する大きなイベントが続いています。
西:21年は延期された東京オリンピックとドバイ万博。22年は外交関係樹立50周年、23年は国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(以下、COP28)、そして今年は当協会設立50周年と、イベントや節目の年が続いています。
永杉:その中から、COP28についてお伺いします。日本UAE協会がUAEの環境への取り組みを広めるため、日本の学生を招待したそうですね。
西:COP28は未来につなぐイベントですから、若者に見てもらうことが大切だと考えました。そこで日本UAE協会の会員企業でもある東海大学の学生6名を招待し、視察プログラムを行うことにしたのです。COP28の会場はもちろん、ドバイのソーラーパークなども視察しました。また、コミュニティ開発省のシャンマ大臣との面会も果たしています。シャンマ大臣は22歳という若さで大臣に就任した女性として知られていますから、先進的なUAEの姿を学生たちは感じ取ったのではないでしょうか。
また、私が社長を務めるアブダビ石油が手掛ける、ムバラス島の海上油田も見学してもらいました。この島は小さな島ですが、500~1000人規模のスタッフが働く油田です。学生たちはヘリコプターで島に降り立ち、現場の見学やマングローブの記念植樹を行いました。ムバラス島では自然を守るため継続して植樹を行っており、豊かな森が維持されています。油田は地球環境に関する風評にさらされがちですが、現地ではこのような活動に地道に取り組んでいることも、学生たちは学んでくれたと思います。
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