ドバイ発、老舗UAE料理店アル・ファナルの挑戦。伝統料理の復権と事業経営
Desert Icons Vol. 5 Sohail Al Marzouqi(ソハイル・アル・マルズーキ/Owner, Al Fanar Restaurant)。砂漠の都市からグローバルハブへの進化。ドバイの発展を牽引するキーパーソンに迫り、彼らの革新と成功の秘密を探求する。
2011年に創業したUAE料理を代表するレストラン。セレブも多数来店
--まずはレストランの歴史を教えてください
Al Fanar Restaurantは、伝統的なエミラティ料理をドバイのダイニングシーンに届けるというビジョンを掲げ、2011年に設立。アラブ首長国連邦(以下UAE)の豊かな料理の伝統を広めることに情熱を注ぐ少数スタッフとともに小規模でスタートしました。現在では、UAE国内に6店舗、サウジアラビアに1店舗を展開し、300人以上のスタッフが従事しています。これまでムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム殿下(ドバイ首長)ハムダン・ビン・ムハンマド・アール・マクトゥーム皇太子、さらにはウィル・スミスなど数々の著名人が訪れています。
--UAE料理の特徴とは
UAE料理は、アラビア半島の豊かな歴史と文化に深く根ざしています。ベドウィンの生活様式、何世紀にも渡って他の地域と交流してきた多様な文化が織りなす多彩な味わいと食材の豊富さが特徴。主な材料には、羊、鶏肉、魚、米、サフラン、カルダモン、シナモンなどさまざまなスパイスが含まれます。
--エミラティ料理特有の調理方法はありますか
独特の風味を引き出すために欠かせない調理方法があります。例えば、スロークッキングは伝統的な料理手法で、肉や穀物をじっくりと調理し、柔らかく風味豊かな仕上げます。グリルはスパイスやハーブでマリネした風味をしっかりと染み込ませた肉やシーフードを炭火を使って焼きあげる手法。香り高いスパイスで炊き上げた米料理があり、ビリヤニやマチブース(アラブ世界での伝統的な炊き込みご飯)などの料理には欠かせません。
--どの料理もカラフルですが、色にはこだわりがありますか
UAE料理の鮮やかな色彩は、使用される多様で豊富な食材を反映しています。視覚的な魅力の料理は、食欲をそそり、体験価値を向上させます。また、新鮮な野菜やスパイス、ハーブの使用により、見た目も華やかになり、栄養価も高いです。文化的重要性としては、UAEの文化や歴史を象徴しており、例えばトマトベースの赤いソース、そしてフレッシュハーブの緑色は、UAEの国旗の色でもあり、この地域の伝統を物語っています。料理は視覚的にも味覚的にも楽しめるものです。
高まるUAE料理へのニーズ。今後はドバイモールにも出店予定
--ドバイでレストラン経営をする上で課題はどのようなものがありますか
ドバイでのレストラン経営には、さまざまな困難に直面します。何よりも競争が激しいため、継続的なアップデートと高水準の品質が求められます。本物の食材を調達しながら費用対効果を維持し、人材のマネージメントほか厳正な衛生基準を遵守することも重要です。
--ドバイはレバノン料理店に比べて、UAE料理店が少ない気がします
レバノン料理は、その多彩な味わいや在UAEのレバノン人コミュニティの影響もあり、広く人気を集めています。すでに確立されたブランドになっており、老若男女に受け入れられる味は高いレベルにあります。しかし、エミラティ料理の評価と需要も高まっており、私たちはUAE料理の復権のために最前線に立っているわけです。
--今後はどのように拡大していきたいと考えていますか
まずはドバイに注力したいと考えています。以前はロンドンにも出店しましたが、現在は閉店し、今後はUAEに集中して進めていく方針です。近々、ドバイモールに新店舗をオープンする予定なので、楽しみにしてください。
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