ドバイ最大手の不動産エージェント“ドリブン・プロパティーズ”アブダラCEO「外国人の土地所有、税制、高い投資利回りが魅力」

Executive Dialogue Vol. 11 ドリブン・プロパティーズ 創業者 & CEO アブダラ・アラジャジ氏。Gates Dubai代表の永杉がUAE・日本の第一線で活躍するリーダーと対談し、ドバイをはじめとするUAEの実相に迫ります。

サウジアラビア出身。ペンシルベニア州立大学でコンピューター・エンジニアリングと経済学の学士号を取得し、ロンドン・ビジネス・スクールでMBAを修了。SaudiAramco、SAMBA銀行勤務を経て、2008年にプライベート・エクイティ・ファンド「UBS Merchant Bridge PrivateEquity Fund」を設立。その後、ドバイで不動産投資会社Dereyah East Venturesを立ち上げ、2012年に不動産仲介・投資を手がけるDriven Properties LLCを創業した。

2兆円超の開発を手掛ける不動産エージェント

マジド・ビン・モハメッド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム殿下がドリブン・プロパティーズを訪問され、アブダラ氏が開発計画などを紹介(2024年4月)

永杉:今回は、ドバイ最大手の不動産エージェント「ドリブン・プロパティーズ」のファウンダーであるアブダラ・アラジャジさんにお話をうかがいます。同社は、米Forbes誌が世界中の不動産仲介会社から優良企業を選定するコンソーシアム「Forbes Global Properties」にも加盟しており、不動産仲介業だけでなく、デベロッパーとしても幅広い物件を手がけています。まずは、これまでのキャリアとドリブン・プロパティーズ設立に至る経緯を教えてください。

アブダラ:ペンシルベニア州立大学を卒業後、サウジアラビアに戻り、Saudi Aramcoでコーポレート・プランニングとコーポレート・ファイナンスの業務に携わりました。その後、銀行業界に転職し、サウジアラビアのCitibankやAmerican Bankを経て、ロンドンでUBSに勤務しました。そして、2008年中頃、UBSと共に「UBS Merchant Bridge Private EquityFund」を設立。中東やカナダを中心に多くのプライベート・エクイティ取引を手がけました。

2012年にドバイでドリブン・プロパティーズを設立。創業当初は不動産管理および仲介業としてスタートしましたが、後に不動産開発にも進出し、現在では150億ディルハム(約6,000億円)の開発案件を手掛けています。さらに、他のプライベート・デベロッパーと共同で400億ディルハム(約1.6兆円)規模のプロジェクトも進行しており、合計で550億ディルハム(約2.2兆円)に及ぶ開発案件を扱っています。

マジド・ビン・モハメッド・ビン・ラシッド・アル・マクトゥーム殿下にドリブン・プロパティーズのオフィスを案内するアブダラ氏

永杉:ドリブン・プロパティーズには「日本チーム」があり、不動産投資、仲介、移住サポートなども手掛けていますね。日本チームを立ち上げた経緯を教えてください。

アブダラ:現在のパートナーであるフセイン・ナジーフとの出会いがきっかけでした。彼はエジプト出身で、幼い頃から日本に強い関心を持ち、日本語も堪能な人物です。彼と話をするうちに、「日本市場は無視できない規模ではないか?」と改めて気づき、日本チームの設立を決意しました。日本は米国、中国、ドイツ、インドと並ぶ世界トップクラスの市場の一つであり、日本の投資家のドバイ市場への関心は年々高まっています。

日本チームの売上は5年で約40倍に急成長

永杉:日本関連のビジネスの現状はいかがでしょうか?

アブダラ:極めて順調に推移しています。日本チームの初年度売上は2,000~2,500万ディルハム(約8~10億円)でしたが、昨年は10億ディルハム(約400億円)を超える規模に成長しました。これは当社の全ディビジョンの中でも3番目の売上であり、日本人投資家がドバイ市場に本格的に参入していることを示しています。私自身も年に2回は訪日し、セミナーを開催したり、顧客と直接会ったりしています。

永杉:5年で約40倍の成長とは目覚ましいですね。日本人投資家をそこまで惹きつける理由は何だと考えますか?

アブダラ:ドバイという都市自体の魅力が大きいと思います。急成長を続ける都市であり、人口も増加し続けています。また、ドバイの制度は外国人投資家にとって非常に有利です。例えば、指定エリアでは外国人が土地を完全に所有できる「フリーホールド」制度や、税制面でのメリットが挙げられます。

加えて、高い投資利回りも魅力の一つです。また、日本国内の経済状況も影響しています。マイナス金利政策は解除されましたが、円安が続いており、日本円での資産運用にリスクを感じる投資家がドバイに目を向けているのです。

リクソスの新プロジェクトのローンチイベントで登壇したアブダラ氏がスピーチ

ドバイ不動産の要注目エリア“ゴールデンスクエア”とは

永杉:ドバイの不動産市場で、特に注目すべきエリアはどこでしょうか?

アブダラ:私たちは「ゴールデンスクエア」と呼ぶエリアを特に注目しています。このエリアには、ビジネスベイ、ダウンタウン、ドバイウォーターカナル、ジュメイラウォーターカナル、ジュメイラベイ、ラメール、シティウォーク、ドバイ国際金融センターなどが含まれています。このエリアには世界的な高級ホテルが立ち並び、ドバイモールやブルジュ・ハリファなどの観光名所もあり、資産価値が安定していると考えています。

永杉:今後のビジョンを教えてください。

アブダラ:今後2~3年以内に、証券市場への上場(IPO)と、不動産投資信託(REIT)の設立を計画しています。

永杉:日本市場との関係もますます深まりそうですね。本日はありがとうございました。

永杉豊。Gates Media FZCO CEO。UAE・ドバイ在住。UAEのビジネスおよび観光情報に特化したメディアを運営し、バイリンガル月刊情報誌『Gates Dubai』をUAEと日本で発行。オンラインメディアでは日本語・英語・アラビア語の3言語で情報を発信している。「日本人だけが知らない砂漠の経済大国UAE・ドバイ」における日本のプレゼンス向上と、日本国内でのUAE理解促進を目指し、日本、米国、ミャンマーに続き、2023年10月にUAE現地法人を設立。

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