「ドバイでの賃貸契約の紛争、解決策」コッチャー法律事務所の弁護士が解説

ドバイの賃貸契約を規定する法律とは?

ドバイにおける賃貸契約は、ドバイ法第26号(2007年)を基本とし、その後の改正(ドバイ法第33号(2008年改正))によって規定されている。また、ドバイ国際金融センター(DIFC)内の契約には別の法律が適用されるため、エリアによって異なる点にも注意が必要。

また、ドバイで賃貸契約を結ぶ際、まず大前提としてEjari(エジャリ)システムへの登録が義務付けられている。Ejariとは、ドバイ不動産規制庁(RERA)が管理するシステムで、これに登録されていない契約は法的に無効とされることがある。

Avichal Prasad(Managing Partner), Navandeep Matta(Senior Associate)

契約更新と家賃の変更ルール

ドバイでは、契約期間満了後も借主が住み続け、貸主から特に申し出がない場合、契約は自動的に同じ条件で更新される。しかし、貸主が家賃を変更したい場合には、契約満了の90日前までに借主へ通知する義務がある。この期間を過ぎると、貸主は家賃を変更できないため、オーナー側も慎重に動く必要がある。

家賃の値上げについても、ドバイ・レンタル・インデックス(Dubai Rental Index)に基づき、法律で上限が定められている。例えば、現在の家賃が市場平均と比べて10%以内の差しかない場合、貸主は値上げできない。それ以上の差がある場合でも、最大20%までの増額しか認められていない。このため、契約更新の際に突然大幅な値上げを求められることは基本的にない。

修繕費の負担は誰がする?

賃貸物件でよく問題になるのが修繕費の負担。契約の条項によるが、一般的に1,000AEDを超えるメンテナンス、または修理費用は家主の責任。これには通常エアコンの故障や重大な配管の問題などの大規模な修理が含まれる。

立ち退きルールと違約条件

ドバイでは、家主は正当な法的理由がない限り、契約終了前に借主を立ち退かせることはできない。ただし、公証人によって認証された書面による通知の発行に従い、以下の状況下では立ち退きが許可される。

●無断で第三者に転貸(サブリース)を行った場合
●物件を違法な用途で使用した場合
●借主の過失による大規模な物件損壊があった場合
●家賃未払い(※30日間の猶予期間が与えられ、その後も支払われなかった場合)

一方、契約満了後の立ち退きについては、貸主が12ヶ月前に公証人の認証を受けた書面で通知する必要がある。ただし、貸主が以下の理由で物件を使用する場合に限られる。

●物件の取り壊しまたは再建の計画があり、借主が物件を使用できない状態に
なっている場合(ただし、管轄機関から必要な許可を取得している場合)。
●物件の修復が必要で、借主の立ち会いの下で実施できない場合(ただし、ドバ
イ自治体によって状態が確認されている場合)。
●自身や家族が住むために使用する場合
●物件を売却する予定がある場合

紛争が発生した場合の解決策

もし貸主と借主の間で賃貸契約に関するトラブルが発生した場合、ドバイには「賃貸紛争解決センター(RDC: Rental Dispute Settlement Center)」が設置されており、ここで問題を解決することができる。RDCでは、契約書やEjariの登録情報をもとに、どちらの主張が正当であるかを判断する。貸主・借主どちらもオンラインで申請が可能で、紛争を公正に解決するための効率的なシステムとなっている。

Kochhar & Co. Inc. コッチャー法律事務所
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