ラルスグループ ジャヤントVice-Chairman & CEO(前編)「“Damas”がDAISOのフランチャイズ権を取得、後に運営に関わった」
Executive Dialogue Vol. 9 ラルスグループ Vice-Chairman & CEO ジャヤント・ラル・ガンワニ氏。Gates Dubai代表の永杉がUAE・日本の第一線で活躍するリーダーと対談し、ドバイをはじめとするUAEの実相に迫ります。

ファミリービジネスからGCCを網羅する多国籍企業へ
永杉:今回は、Lals Groupの副会長兼CEO、ジャヤント・ラル・ガンワニさんにお話をうかがいます。今準備中に気がついたのですが、日本語を少し理解されていますね。
ジャヤント:2ヵ月弱ですが、東京の市ヶ谷にある産業能率大学に短期留学をしたことがあります。ですので、少しだけ日本語を聞き取ることができます。また、私の妻はインド人なのですが、神戸生まれで12歳まで日本に住んでいた経験があります。
永杉:Lals GroupはUAEでDAISOを手掛けている企業ですし、ジャヤントさんは日本とのつながりが強そうです。それでは、まずLalsGroupについて教えてください。

ジャヤント:1979年、私の父がファミリービジネスとしてLals スーパーマーケットという店を開いたのが始まりです。設立から2年後、叔父がビジネスパートナーとして加わり、事業拡大に舵を切りました。繊維、食品製造、レストラン、教育事業などさまざまな分野に手を広げ、その時期には大阪にもオフィスを開設して、繊維の輸入も行いました。他には養鶏事業を始め、後にUAE最大手の鶏卵生産企業に成長しています。そして2003年、父と叔父はグループの分割を決意し、叔父が食品ビジネスを手掛けるAlMaya Groupを運営し、我々が非食品ビジネスを展開するLals Groupを運営することとなったのです。私は1986年にLals Groupに入社しており、父と叔父とともに事業拡大に尽力してきました。
DAISO UAEの1号店は2004年にオープン
永杉:分割後のLals Groupについて教えてください。
ジャヤント:当社は現在、GCC(湾岸協力理事会)地域で約3,600人の従業員を雇用しており、店舗数は210店舗にのぼっています。事業内容は小売、不動産開発、物流など多岐にわたりますが、とりわけ小売と不動産事業は大きなウェイトを占めています。

永杉:DAISOを含む小売事業についてお聞かせください。
ジャヤント:2003年の分割後にまず着手したのがDAISOのフランチャイズ権の取得でした。04年に1号店がオープンしているので、もう20年が経ちますね。小売事業にはDAISOの他にも2つの重要なブランドがあります。一つは家具販売を行う「Homes r Us」、もう一つがベビー用品などを扱う「Mom Store」で、3つとも事業の柱と言える存在です。
永杉:不動産ビジネスはどのような状況でしょうか。
ジャヤント:不動産は2012年以降、急速な伸びを見せました。我々の不動産事業は超高級路線をとっており、これまでにジュメイラ・レイク・タワーズでTaj Hotelを建設したほか、ジュメイラ・ゴルフ・エステーツのラグジュアリーヴィラ、ダウンタウンの118タワーなどを手掛けてきました。現在は、マリオット・インターナショナルと提携して、W Residenceの建設が進められています。
永杉:非常に幅広い事業を展開されていますが、スポットを当てたいのは、やはりDAISOについてです。そもそもどのようなきっかけでDAISOのフランチャイズ権の取得に至ったのでしょうか。
ジャヤント:これには不思議な巡り合わせがあります。当時、ドバイには「アキラさん」というフリーランスの日本人ビジネスマンがいました。アキラさんは日系企業とUAE企業を結びつける仕事をしていたのですが、彼の紹介でUAEの宝飾品ブランド「Damas」がDAISOのフランチャイズ権を取得したのです。私はアキラさんからその話を聞き、大変興味を持ちました。幸い、当時のDamasのCEOは私の親友だったため、彼に電話してDAISO運営に加わらせてほしいと頼みました。Damasは金や宝石販売以外の経験がなかったため、幅広い小売のノウハウがある我々を歓迎してくれ、一緒にビジネスをすることになったのです。残念ながらアキラさんはもう亡くなってしまいましたが、当社とDamasは今もパートナー関係を続けています。
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