ドバイ発、日本の“侘び寂び”を取り入れる注目のファッションブランド・CHI-KA

セルビアのベオグラード出身で、ドバイ在住30年以上。2013年に夫と共に「CHI-KA」を共同設立し、クリエイティブディレクターを務める。アートや文化に深く精通し、ドバイ国際金融センター(DIFC)のアート部門などでの豊富な経験を有する。CHI-KAのデザインは、日本の美学と職人技に深く影響を受け、高品質の素材を使用した仕上がりにこだわり、環境への配慮からサステナビリティにも注力。廃棄物を最小限に抑えるオーダーメイドの生産を行い、持続可能なファッションを追求している。異文化交流を促進するイベントやワークショップを展開し、ドバイの多様なコミュニティに対して新たな機会を提供している。

Desert Icons Vol. 6 Nina Valjarevic(ニナ・ヴァルジャレヴィッチ/Owner & Creative Director, CHI-KA)。砂漠の都市からグローバルハブへの進化。ドバイの発展を牽引するキーパーソンに迫り、彼らの革新と成功の秘密を探求する。

3つの文化が融合するデザイン

--日本の伝統とモダンをどのようにデザインに取り入れていますか
 初期の段階では、着物とアバヤの要素を組み合わせた作品を多く作りました。例えば、片側に着物のシルエット、もう片側にビシュトのカットを取り入れたデザインです。また、着物や帯の生地をアバヤに取り入れる試みもしました。最近では、禅の概念である「侘び寂び」を取り入れることに重点を置いています。これらのテーマは私たちのファッションの中心であり、そうした思いをお客様にも伝えています。

--どうやってファッションを学びましたか
 独学です。正式なファッションスクールには通っていませんが、ファッションは常に私の情熱の源泉であり、10年間の経験を通して多くを学びました。あとは、培ってきたセンスとインスピレーションによるものが大きいです。

--CHI-KAのアバヤは他のブランドと何が違いますか
 私たちのアバヤは、ヨーロッパ、日本、中東の感性を融合させたユニークなデザインが特徴。特に高品質な日本製の生地を使用し、スタイリングや仕上がりにこだわっています。ブランドイメージは独自のスタイリングに基づいており、3つの文化が調和したコンテンポラリーなスタイルを創出。日本の美学やクラフトマンシップ、建築、プロダクトデザインから強く影響を受け、常に最高の品質を追求しています。

--「CHI-KA」という名前に込められた意味は
 「CHI」は禅の哲学で「地」や「土」の要素を表し、「KA」は「火」を意味します。この2つの要素の組み合わせが非常に興味深いと感じています。

アルサーカルアヴェニューにあるショップ。和のテイストがあふれる内装で、食器ほか日本の製品をセレクトして販売

--クオリティをどのように維持していますか
 私たちは自社のアトリエを持ち、すべての作品を手作業で制作しています。大企業のように外部に生産を委託せず、職人がすべての工程を手作業で行い、細かく監督・管理しています。厳しい品質検査を通過した製品だけが出荷され、常に高い品質を維持。工場はオフィスから2分の距離にあり、主に日本製の生地を使用しており、シルクはすべて日本で製造しています。

人気の商品は常に最新コレクション

--最も売れている商品は何ですか
 お客様は常に新しいものを求めており、どのコレクションでも2~3の商品がベストセラーになります。特に、軽量で黒いアバヤは年間を通して最もすぐに売れます。ラマダンの時期には、ラマダンやイードの集まりや家庭で着られるシルクのカフタンが特に人気です。

--日本と中東では、顧客の違いはありますか
 日本人のお客様は全体の約5%を占め、アバヤと着物の要素が融合したクールなデザインを好みますが、アバヤ自体を購入することは少ないです。一方、中東のお客様は、伝統的なアバヤや現代的なデザインに非常に強い関心を持っています。

--ドバイのファッションシーンはどういったところが魅力的ですか
 非常にダイナミックで、多くの文化が融合しています。そして、創造性とイノベーションが生まれ、伝統とモダンを融合させた実験的なデザインを表現することが可能です。ドバイの人々はファッションに敏感ですし、新しいアイデアに対してオープンであり、ビジネス環境は非常に刺激的です。

--今後はどのような活動を考えていますか
 多くの文化的な活動を、 アルサーカルアヴェニューのスペースで開催する予定です。現在計画中ですので、ぜひご注目ください。 重要な情報としては、日本のクラフトマンシップに注目したイベントを行う予定です。また、体験型のワークショップも開催しますので、HPをチェックしてみてください。

Gates of Dubaiの広告
ドバイでビジネスを拡大!

日本でもビジネスを周知

お問い合わせ







    お名前必須

    メールアドレス必須

    お問い合わせ内容必須

    プライバシーポリシーに同意する