中東法務事情〜ドバイ在住弁護士が解説する注目ポイント「UAE倒産法の改正」

2016年12月に導入されたUAE倒産法は、2023年に全面改正が行われました。UAEにおける法律は、その施行のための詳細が、施行規則で定められるのが一般的です。

新倒産法は、2023年10月2日に出されていたものの、施行規則の制定は遅れ、2024年9月16日付の官報で公表されました。新倒産法は、2024年5月1日から施行されていますが、施行規則が出たことで本格的な運用が開始されます。

新法下では、旧法では支払停止状態にある債務者に義務付けられていた倒産申し立てが義務ではなくなり、債務者と債権者が倒産申し立てを行う場合に、必要な債務額と債権額が定められるなどが変更されています。

UAE倒産法においては、再生手続きと破産手続きに加えて、財務状況の悪い債務者が倒産手続き以前に債権者と調整し、倒産を回避することを目指す予防的和解手続きが定められていますが、新法下では予防的和解手続きも、債務者にとってより利用しやすい制度となっています。