日本・アラブ首長国連邦(UAE)友好議員連名誉会長 甘利明氏(後編)「日本のコンテンツや技術を売り込んでいく取り組みを進めるべき」
Executive Dialogue Vol. 4 衆議院議員/日本・アラブ首長国連邦(UAE)友好議員連名誉会長 甘利明氏(後編)。Gates of Dubai代表の永杉がUAE・日本の第一線で活躍するリーダーと対談し、ドバイをはじめとするUAEの実相に迫ります。

中東で高まる日本の教育や文化への好感。コンテンツの垣根を超えたコラボを期待
※前編はこちら。日本・アラブ首長国連邦(UAE)友好議員連名誉会長 甘利明氏(前編)「UAEは中東のリーディングカントリーになりうる国」
永杉: 「最後の一樽」の後に必要なのは教育であると考えているムハンマド大統領が、日本の教育制度を評価していることはとても誇らしいことですね。
甘利: アブダビには日本人幼稚園と、小学校から中学校までの日本人学校がありますが、高校はありません。それで、一部のアブダビ子弟が日本の高校へ留学を希望したのですが、当初は文部科学省が受け入れは難しいと返答したそうです。これを聞いたときは、さすがに私も怒りました。
「中東のオピニオンリーダーになりうる国の若者が日本で学ぶのは素晴らしいことじゃないか。前例がないからといって受け入れないとしたら、国益を大きく損ねることになる」と、当時の安倍総理にも強く進言したことを覚えています。最終的には東海大学付属高輪台高校が受け入れてくれ、今でも多くのアブダビ子弟が日本で学んでいます。これは、日本にとって非常に有益なことと言えるでしょう。

永杉: UAEの将来性についてはどのように見ていますか。
甘利: 中東という地域を広く見ると、盟主と言えるのはサウジアラビアでしょう。UAEと比較すると、国力には大きな差があります。一方、UAEのムハンマド大統領とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は関係が深く、ムハンマド大統領はサルマン皇太子の兄貴的な存在であったと聞いています。こうしたバックボーンがあるため、UAEのムハンマド大統領は中東地域において、今後も存在感を持ち続けるのではないでしょうか。そのムハンマド大統領が親日的であるということは、日本にとって大きなアドバンテージと言えます。
永杉: 最後になりますが、UAEを始めとする中東への進出を考えている日系企業へのアドバイスをお願いします。どのような分野のビジネスに成長の余地があるとお考えですか。
甘利: 最も注目したいのはコンテンツ分野です。私はコンテンツ産業推進議員連盟の会長も務めており、各国で日本の文化がどのように受け入れられているのかを注視していますが、中東地域における日本のコンテンツに対する思い入れの強さは目を見張るものがあります。

永杉: 日本のコンテンツというと、やはりアニメでしょうか。
甘利: アニメやマンガの影響力は絶大ですが、それ以外にも日本にはさまざまな世界トップレベルのコンテンツがあります。私はこれらのコンテンツ同士がコラボレーションして、大きなパッケージとして世界に打って出てほしいと考えています。
コラボの成功例として挙げられるのは、avexが2019年にサウジアラビアで開催した「STAR ISLAND」というイベント。同国の建国記念日に行われたものなのですが、日本が誇る花火の技術と、最新のテクノロジー、そして伝統芸能も取り入れたパフォーマンスが融合したもので、会場となった王宮前には30万人もの観客が集まったそうです。このように日本のコンテンツや技術を統合して売り込んでいく取り組みは、今後も進めていくべきでしょう。
永杉: 日本食も含め、日本の文化に対する各国からの注目はかつてない高まりを見せています。「日本」というキーワードで一致団結して、それぞれの魅力や価値をさらに高めていくことは確かに重要ですね。ぜひ、政府にもこうした取り組みのサポートをお願いしたいと考えます。本日は公務ご多忙の折、ありがとうございました。





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