日本・アラブ首長国連邦(UAE)友好議員連名誉会長 甘利明氏(前編)「UAEは中東のリーディングカントリーになりうる国」
Executive Dialogue Vol. 4 衆議院議員/日本・アラブ首長国連邦(UAE)友好議員連名誉会長 甘利明氏。Gates of Dubai代表の永杉がUAE・日本の第一線で活躍するリーダーと対談し、ドバイをはじめとするUAEの実相に迫ります。

石油依存の脱却を目指してきたUAEは中東のなかでも注目すべき国
永杉: 今回は、衆議院議員の甘利明さんにお話を伺います。個人的な話なのですが、甘利さんは神奈川県立厚木高校のご出身で、私の大先輩にあたる方です。さらに、日本・アラブ首長国連邦(UAE)友好議員連盟の名誉会長を務められているということで、小さくないご縁を感じています。まずはご自身とUAEとの関係について教えてください。
甘利: UAEには大臣時代を含め、これまでに何度も訪問しています。近年では、2022年5月に行われたハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン前大統領の葬儀に総理特使として参列しました。また、UAEの要人が来日された際に会談をするなどの機会も多くありました。例えば、今のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領がアブダビ首長国の皇太子だった頃にも日本でお目にかかっています。

永杉: UAEという国に対して、どのような印象を抱いていますか。
甘利: 中東のなかでも、特に注目すべき国だと思います。UAEの凄さは、石油依存からいかにして脱却するかを考え抜いてきた国です。石油が少ないドバイが脱却を考えるのは当然ですが、ある程度の採掘量が見込めるアブダビでさえ、同じように考えてきたのです。ムハンマド大統領がアブダビの皇太子時代に行った演説にこんな一説があります。
「原油の最後の一樽がアブダビ港を出るとき、我々はどう見送るだろうか? これまで依存してきたものがなくなることをただ寂しく見つめるだけなのか? それとも石油に代わる新たな手段を構築し、『ありがとう、これからは大丈夫だ』と言えるのか? 我々は後者であるべきで、それを成しうるのは教育である」。ムハンマド大統領は、皇太子時代からこうした視点を持っている方です。UAEは国の規模こそ小さいものの、中東のリーディングカントリーになりうる国と言えるでしょう。

永杉: ムハンマド大統領は、親日的な人物としても知られていますね。
甘利: 私がUAEを訪問して最も驚いたこととして、アブダビ日本人学校の取り組みが挙げられます。ここは世界でも珍しいアブダビ子弟枠がある日本人学校です。この枠を要請したのは、当時皇太子だったムハンマド大統領だったそうです。日本人学校の先生に話を聞くと、初日にはロールスロイスが門の前に横付けされ、政府高官の子弟が使用人を従えて降りてきたそうです。もちろん、彼らを特別扱いはせず、日本人子弟と同じ扱いをしていたら、すぐに親から猛抗議が来たと聞いています。「うちの子どもに片付けや掃除をさせるとは何事だ。そんなものは使用人がやる!」という訳です。
しかし、先生は毅然とした態度で「日本人の子弟でも、アブダビの子弟でも、全員に同じことをさせています」と突っぱねたというのです。それから何ヵ月かすると、同じ親から「子どもが見違えるほど自立してきた。日本の教育に感謝したい」と言ってきたそうです。アブダビ子弟枠を要請したムハンマド大統領にもこうした声はきっと届いているはずです。※後編はこちら





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