1日に3,000人が訪れるビザ&パスポートの大手サービスプロバイダー・VFS Global

Desert Icons Vol. 6 Monaz Billimoria(モナズ・ビリモリア/Regional Head, VFS Global)。砂漠の都市からグローバルハブへの進化。ドバイの発展を牽引するキーパーソンに迫り、彼らの革新と成功の秘密を探求する。
ハブ都市・ドバイでVFS Globalが提供するサービス
--VFS Globalは、世界中でビザ、パスポートなどの業務代行の大手サービスプロバイダーとして知られています。ドバイという都市についてどう考えていますか
ドバイは、世界中の都市とのアクセスが非常に良好で、多くのビジネスや旅行者が集まるハブ都市です。VFS Globalの本社もドバイにあり、40ヵ国に対してビザサービスを提供し、業務量のトランザクションは80%がドバイ、20%がアブダビ。我々のビザセンターには、1日あたり平均3,000人の申請者が訪れています。
--パンデミック後、観光需要はどのように変わりましたか
国境が再開されて以来、従来の夏や冬の旅行シーズンに限らず、2024年上半期のUAEにおける旅行需要は、23年上半期と比較して20%増加しています。25年はさらなる増加が見込まれています。

--多文化都市であるドバイにおいて、どのようにして顧客満足度を高めていますか
顧客体験は、私たちの最も重要な指標の一つです。ビザセンターやコールセンターで顧客からのフィードバックを収集し、高い基準を維持するためにさまざまな施策を実施しています。2023年には、聴覚障害者向けのコールセンターを開設し、手話を用いたサポートを提供。UAEは150ヵ国以上の文化が交わる国であり、私たちのスタッフも50ヵ国以上の出身者で構成されており、多様な顧客に対応しています。
--競合は存在しますか。また、どのように差別化していますか
競争相手は世界中に存在しますが、VFS Globalは67の政府から契約を受け、マーケットリーダーとして、その地位を確立してきました。私たちは技術革新と長年の経験を活かしてサービスを強化し続けています。政府との強力なパートナーシップを築き、ビザプロセスの透明性や信頼性を向上させ、優れたサービスを提供することで、競争市場において優位性を保っています。
VFS Globalが見据える新たな展開と日本市場の成長機会
--旅行業界の未来について、どのように考えていますか
旅行は今や贅沢品ではなく、生活において必要不可欠なものとなっています。特にUAEでは、観光に対する環境が整っており、年間を通じて何度も旅行をすることが一般的です。私たちのビジネスの中心はビザサービスですが、それに加えて医療やパスポートサービス、認証業務など幅広いサービスを提供しています。旅行需要は今後も増加すると予想されており、それにともない私たちの役割もさらに重要になるでしょう。
--UAEオフィスの運営責任者として、どのような新しいサービスや取り組みを計画していますか
AIを活用したサービスの拡大を計画し、Responsible AI Instituteと提携、アプリケーションの開発に取り組んでいます。また、AI開発センターを設立し、現地のエンジニアチームと共に技術革新を進めています。これにより、ビザ申請や他のサービスの効率がさらに向上することを期待しています。
--ドバイから日本への旅行需要について、どのように見ていますか
為替の影響で、日本はより手頃な旅行先となり、旅行者にとっての価値が高まっています。特に大阪万博や桜のシーズンは、旅行者にとって大きな魅力。2025年は日本への旅行が非常に好調な年になると予測しており、日本市場の成長機会は大きいと感じています。日本のビザセンターも新しい場所に移転し、より多くの人々に魅力的なサービスを提供できるようになる予定です。日本への旅行需要は今後さらに増えると見込んでおり、私たちはそのマーケットとしての成長を大いに期待しています。





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