「UAEにおける相続」中東法務事情〜ドバイ在住弁護士が解説する注目ポイント

西村あさひ法律事務所 Afridi & Angel Japan Desk 森下 真生 Masao Morishita
日本の法律事務所に所属する弁護士として、中東地域に長期常駐する唯一の弁護士。UAEドバイからサウジアラビアを含む中東湾岸諸国やイラン、イスラエル、トルコ、エジプトなど広範囲を担当

イスラム教徒であるUAE人の相続は、原則として、イスラム法に従います。例えば、法律上、直系卑属(子どもまたは孫)がいない夫婦の妻が死亡した場合、夫は2分を1を相続するとされ、直系卑属がいる場合には、4分の1を相続するとされます。他方で、直系卑属がいない夫婦の夫が死亡した場合、妻は4分の1を相続するとされ、直系卑属がいる場合には、8分の1を相続するとされます。これはコーランの4章12節の内容と一致しています。

UAEでは、最近まで、外国人の相続についても、イスラム法が適用されていましたが、現在は、外国人については、別の法律が適用されます。当該法律においては、遺言がない場合、相続財産の半分は配偶者に帰属し、残りの半分は子どもに男女の区別なく均等に分配されるとされ、男女による相続分の差異はありません。また、相続にあたり、自国法の適用を求めることも許容されています。

しかし、相続時には、裁判所で相続人を証明しなければならない等、法定相続には障害があるため、UAE資産については、UAEで遺言を作成しておくことが望ましいです

森下弁護士著書の「ドバイ便り」(木楽舎)。業界誌『国際商事法務』の連載コラムを書籍化


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