"世界へ挑むドバイの香水" RASASI IMTIYAZ GROUP CEO 兼 オーナー イムティヤズ・アブドゥル・ラザック・カルセカール インタビュー
Executive Dialogue Vol. 21 RASASI IMTIYAZ GROUP CEO 兼 オーナー イムティヤズ・アブドゥル・ラザック・カルセカール。Gates Dubai代表の永杉がUAE・日本の第一線で活躍するリーダーと対談し、ドバイをはじめとするUAEの実相に迫ります。

ドバイ経済に「香り」で挑む 家族の絆が支えるRASASI

永杉:今回は、ラサーシ・イムティヤズグループのCEO兼オーナーであるイムティヤズ・アブドゥル・ラザク・カルセカールさんにお話を伺います。同グループは、フレグランスブランド「ラサーシ・パフュームズ」を擁し、中東やヨーロッパなどグローバルに展開しています。それでは始めに、会社の来歴からお聞きします。
イムティヤズ:ラサーシは1979年、亡き父アブドゥル・ラザック・カルセカールが設立しましたが、その道のりは困難に満ちたものでした。父はインドのボンベイ(現ムンバイ)生まれ。貧しい家庭で、わずか9歳で孤児になったのです。父はそれから40年以上必死で働き53歳のときドバイへ移住しました。
ドバイにおける新たなチャレンジのフィールドとして選んだのが香水ビジネスです。父は信心深い人だったので、イスラム教で縁起の良いものとされる香水ビジネスへの参入は自然な流れだったようです。
最初に店舗を構えたのは、デイラにあるムルシッド・バザールでした。40年以上前のドバイはまだ発展途上でしたが、ムルシッドバザールは香水やゴールド、アクセサリーなどの店舗が軒を連ねる一大商業地でした。今でいうドバイモールのような存在ですね。そこで父は、香水にRASASIというブランド名をつけて販売を開始しました。
永杉:RASASIのネーミングの由来を教えてください。
イムティヤズ:父の名前RazzaqのRや、私の名前ImtiyazのIなど、家族全員の名前の頭文字から取られています。父は家族の絆を大切にする人でした。さらに、一緒に働く従業員、サプライヤー、そしてもちろん顧客のことも大切に思っていました。彼ら一人ひとりが幸せになるエコシステムの構築は、私が父から受け継いだ重要なミッションだと思っています。
自身の名を冠した新ブランドと文化を尊重したグローバル戦略
永杉:お父上から事業を引き継いだあと、サウジアラビア市場を開拓したり、南フランスに本格的なR&D(研究開発)施設を設立するなど、事業を大きく拡大させました。そしてこの度、新ブランド「I'M RASASI」の立ち上げを発表されました。新ブランドのコンセプトを教えて下さい。
イムティヤズ:柱となるコンセプトは「レガシーからモダニティへ」です。父は私たちに素晴らしいレガシーを残してくれましたが、我々はそれを漫然と受け継ぐだけではいけません。遺産は大切に扱いつつも、現役世代に合わせた製品にブラッシュアップする必要があります。
私には娘が二人いますが、彼女らは私にこういったのです。「うちの香水は大きすぎて持ち運べないよ」と。娘の世代は小さなバッグを好んでおり、大きな香水ボトルを持ち運ぶことは現実的ではないのです。そこで「I'M RASASI」のボトルは、独創的なデザインかつコンパクトに仕上げました。受け継いだものは守りつつも、今のユーザーの感性に合わせて香りやパッケージを現代的なものに変換したのです。
ちなみに、「I'M RASASI」の「I'M」は「私」という意味とともに、私のイニシャル「Imtiyaz」から取ったダブルミーニングになっています。つまり、家族(RASASI)のレガシーを私なりにどう受け継ぐかという挑戦でもあるのです。

永杉:イムティヤズさんはこれまで、グローバル展開を積極的に推進してきました。世界に自社の製品を売り込むうえでどのような戦略を取っているか、また将来日本への展開はあるのかをお聞きします。
イムティヤズ:国を超えて香水を売るときに重要なのは、それぞれの国の嗜好を正確に把握することです。例えば、中東の商品ラインナップをそのまま日本に持ち込んだとしても、芳しい結果にはならないでしょう。中東の香水は日本人にとっては「強すぎる」と感じるはずです。我々は、販売する国ごとに入念なリサーチを行い、AIの力も使いながら適切な販売ラインナップを構築するように努めています。
そして、日本への展開はあるのかという問いですが、「Yes」です。私は日本に対して強い好感とシナジーを抱いています。父がドバイで成功できたのは、製品に対する妥協なき姿勢と高い倫理観を持っていたからだと思っていますが、私は、父のその姿と日本人を重ねてみることがあります。以前、日本である製品を買ったとき、品質に若干の問題がありました。念の為店舗に知らせると、彼らは品物を引き取り、謝罪の手紙まで書いてくれたのです。この妥協なき姿勢と倫理観こそ、父が体現していたものだと思いました。日本でビジネスをすることは、RASASIにとって重要な節目となるはずです。
とはいえ、先程も申し上げたとおり、中東の製品をそのまま持ち込むわけにはいきません。日本人が好む香りで、よりコンパクトな形状の日本限定商品を作る必要があります。実は、このプロジェクトを手掛ける日本の人材を探しているのですが、まだ見つけられません。我こそはという日本人は、是非我々と共に働いてほしいです。
世界が憧れる都市ドバイ、急成長するドバイブランド
永杉:最後の質問です。我々の媒体は主にドバイでビジネスをする人、あるいはこれから移住しようとする人が読んでいます。ドバイ在住半世紀以上のイムティヤズさんから見た、ドバイの魅力やビジネスの利点などを教えて下さい。
イムティヤズ:父が初めてドバイの地を踏んだとき、このあたり一帯は砂漠が広がる土地でした。当然、ブルジュ・ハリファもパーム・アイランドも存在しません。しかし、父には先見の明がありました。その頃から「ドバイは偉大な都市になる」と言い続けていたのです。当社の製品を見てください。生産国の表記が「Made in Dubai, UAE」となっています。「Made in UAE」とはしていないのです。これは父の意志です。
父の予想は当たったと言えるでしょう。今やドバイは単なる都市ではありません。世界中の人々が憧れる街になり、ドバイのブランドに多くの人が付加価値を感じるようになったのです。今後、ドバイブランドの市場は急速に発展すると見込んでいます。新しい土地でビジネスをしようとする人にとって、魅力的な選択肢であることは間違いないでしょう。
永杉:確かに、ドバイチョコレートのように「ドバイ」という街そのものの魅力が商品に付加価値を与える例が増えてきていますね。近い将来日本でも「Made in Dubai, UAE」の商品が高級品の代名詞となる日が来ることを楽しみにしています。本日はお忙しい中ありがとうございました。





Gates Dubaiの広告
ドバイでビジネスを拡大!
日本でもビジネスを周知
お問い合わせ



