日本の伝統を受け継ぎ、ドバイから発信するサステナブルな挑戦

Desert Icons Vol. 17 ジャパンスタイル オーナー 村田陽子。砂漠の都市からグローバルハブへの進化。ドバイの発展を牽引するキーパーソンに迫り、彼らの革新と成功の秘密を探求する。
ドバイに息づく “もったいない精神”
--「ジャパンスタイル」を立ち上げたきっかけを教えてください。
村田 2021年、子どもが4歳になり少し生活に余裕が出てきた頃、「自分自身に何かできることはないか」と考え始めたのが最初の動機です。元々、母がヴィンテージ着物の生地を使い、友人と一緒に自宅でソーイング教室を開いていました。母の活動はとてもサステナブルで、エコロジカルだったと気づき、モノづくりが好きな私も「同じようなことができるかもしれない」と思いました。そこで、ヴィンテージ着物を輸入し、アップサイクル商品を制作・販売する事業を始めようと決意しました。
--ドバイ市場における日本の伝統工芸品の需要はどうでしょうか?
村田 私が事業を始めた4~5年前に比べて、日本食ブームなどを背景に、日本製品や日本文化への関心は格段に高まっていると感じます。ただ、現状では需要はまだ一部の層に限られている印象です。お客様の多くは、①日本へ旅行したことがある方、②日本のアニメのファン、のどちらかです。しかし、近年はUAEから日本への旅行者が急増しています。実際に日本の本物に触れた方々が増えることで、伝統工芸品への認知度も高まり、今後の需要拡大に繋がっていくと期待しています。

--現地のビジネス文化や消費者の特徴はありますか?
村田 ドバイでは、「どんな人がオーナーで、どういうストーリーでビジネスをしているのか」という点が非常に重視されます。オーナーが顔を出してブランドストーリーを語ることで、消費者に親近感を持ってもらえるようです。そのため、SNSでの発信が非常に重要。特にドバイではInstagramがメインのビジネスツールで、その活用が成功の鍵を握ると、多くの成功者からアドバイスを受けました。
--商品はどのような方法で購入できますか?
村田 現在は、主に3つの方法で購入いただけます。公式ホームページ、InstagramのDM、ポップアップマーケット。また、自宅をショールームとして開放しており、直接生地を見ていただいたり、カスタムオーダーの相談を受けたりしています。お手持ちのお気に入りの服をお持ちいただければ、その形を元に着物生地で新しい一着を仕立てることも可能です。企業のオープニングパーティーで配るコースターなど、大口の注文にも対応しています。
文化の紹介を超え、サステナブルな未来へ
--「もったいない精神」と「伝統美」、どちらの価値観をより大切にしていますか?
村田 双方同じくらい大切にすべき価値観だと考えています。着物一枚は、それ自体が職人の技の結晶である「伝統美」の塊です。そして、その着物が約2,500個もの蚕の命から作られていることを思えば、生地を最後まで使い切ることは、職人の技と命を無駄にしない「もったいない精神」そのものに通じます。
--人気商品は何ですか?
村田 一番人気は「羽織(はおり)」です。着物は着るのが難しく、気候も選びますが、羽織はジャケット感覚で気軽に羽織れます。価格帯は状態によりますが、大体500~1,200UAEディルハム(約2万円~5万円)です。特に男性用の黒羽織は、海外のコレクターからも人気が高く、現在では入手困難なアイテムの一つになっています。
--事業を通じて、どのような社会的インパクトを残したいですか?
村田 これまでは日本の着物文化を知っていただく「啓蒙活動」が主でしたが、今後はさらに「サステナビリティ」や「社会貢献」に力を入れていきたいです。最終的には、日本の伝統美や職人技を次世代に継承するお手伝いをしつつ、地球と人に優しい価値観をドバイから世界へ発信することで、社会的・文化的なインパクトを残していきたいと考えています。





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