ドバイ会計士のビジネス最前線「富裕層ミニマムタックス対策のドバイ移住は有効?」

日本での株式上場やM&Aによる株式売却は、事業家にとって「富裕層へのキップ」であり、税率がおおむね20%に抑えられていたからこそ、起業家はリスクを取って挑戦できました。しかし、2027年分の所得からは「富裕層向けミニマムタックス」の導入により、所得税ベースの実質負担が30%程度まで引き上げられてしまうため、この選択肢のメリットが急速に薄れつつあります。
こうした状況を回避する手段として注目されているのが、「ドバイ移住」です。UAEでは個人のキャピタルゲイン課税が基本的に存在しないため、「適切に日本の居住者区分から外れれば、日本で課税されないのではないか?」というご相談が増えています。
しかし、ドバイ移住によって日本の税制上、「非居住者」となっても、一定の条件を満たすと「事業譲渡等類似株式」に該当し、日本で課税されるケースが多く、話はそう簡単ではありません。事業譲渡等類似株式とは、たとえ海外に移住したとしても「大口株主が日本株を一気に売却した場合は、日本側に課税権を認めます」という趣旨の制度です。
単に居住地を変えればよいという時代は終わり、持株比率、組織再編のタイミング、日本側に残る事業実態などを総合的にデザインする必要があります。初期段階から専門家を関与させ、移住・M&A・持株整理を一体として綿密に進めていくことが、これまで以上に重要になっているといえるでしょう。

岡本信吾
Alwasiq Management consultantsジャパンデスク、公認会計士(CPA)。大手監査法人(EY)で5年間勤務後に独立し、東京都港区で税理士法人を開業。現在はドバイの日系企業向けに会計・税務サービスを提供している。
shingo@alwasiq.net
Alwasiq Management consultants
ドバイのビジネスベイにオフィスをかまえるドバイの会計事務所。ジャパンデスクを有し、100社を超える日系企業の税務アドバイザリーを行っている。
https://alwasiq.net/jp/




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