MUFGドバイ支店が担う中近東・アフリカ戦略の最前線

Desert Icons Vol. 19 株式会社三菱UFJ銀行 中近東総支配人 勝田 良彦。砂漠の都市からグローバルハブへの進化。ドバイの発展を牽引するキーパーソンに迫り、彼らの革新と成功の秘密を探求する。
中東・アフリカのハブ、MUFGドバイ支店の役割
--ドバイ支店の主な業務内容について教えてください
勝田 ドバイ支店では法人業務に特化しています。いわゆる商業銀行として、貸出や預金といった業務を一通り行えるライセンスを保有しています。特にドバイ支店の大きな特徴は、イスラム金融(シャリア金融)を取り扱える点です。イスラム教の教えでは金銭の貸付が禁じられていますが、物を介在させるなどの工夫を凝らすことで、類似した金融サービスを提供できます。このイスラム金融を当行ではドバイとマレーシアの二拠点で提供しております。
--主な顧客層はどのような企業ですか?
勝田 お客様は日系企業も多くいらっしゃいますが、業務の大半は現地の有力企業(地場企業)との取引が占めています。具体的には、UAE、サウジアラビア、カタールなどの国営企業や大手企業が中心で、政府系ファンド(ソブリン・ウエルス・ファンド)とも取引があります。

融機関が集まっている
--注力している分野や収益の柱は何ですか?
勝田 我々が注力している業務は、主に以下の3つ。まずはM&Aファイナンス(合併・買収)であり、大規模な融資や為替・金利のヘッジなどを提供します。我々は資金調達の側面から助言を行う「デット・アドバイザリー」という役割を担います。続けて、プロジェクトファイナンスについては、当行がグローバルで最も得意とする分野の一つで、Project Finance International Leage Tableの組成額ランキングでは、世界で直近3年含め、2012年以降11度にわたり首位という実績を誇ります。最後が金融機関取引であり、こちらは地元経済への貢献や貿易金融を行う上で重要な業務です。
--ドバイ支店がカバーしている地域はどこでしょうか?
勝田 ドバイ支店は中近東地域を統括しており、リヤド(サウジアラビア)、ドーハ(カタール)、テヘラン(イラン)にも拠点を置いています。それに加え、私が総支配人となってからはアフリカの日系企業ビジネスもカバーしております。
日本と中東の“架け橋”に。MUFGの成長戦略
--ドバイを拠点とするメリットは何ですか?
勝田 ドバイを拠点とするメリットは複数あります。世界の金融機関や大手企業が集積するビジネスハブであること、アブダビやリヤドといった主要都市へのアクセスが良いこと、世界中から優秀な人材が集まること、地理的に欧州・アフリカとアジアの中間に位置し、それらを繋ぐ商流や投資フローが多いこと。これらの要素から、中東でビジネスを統括する上で最適な拠点だと考えています。
--日本から進出する企業へのサポートについて教えてください
勝田 日本の親会社様から、中東地域への進出に関するご相談を非常に多く受けます。特に最近は、サウジアラビアに関するお問い合わせが顕著に増えています。サウジアラビアでは、政府の方針として国内での「モノづくり」を推進しており、実際に日系メーカーの工場(組立工場など)も存在します。

--中東特有のリスクや規制には、どのように対応していますか?
勝田 最大のリスクは地政学リスクです。この地域では数年に一度、緊張が高まる事態が発生します。我々の重要な役割は、これまでの経験を駆使して正確に実態を捉え、地政学イベントが発生しても金融サービスを可能な限り提供し続けることです。幸い、この地域の経済は政治的な出来事の影響を受けにくい構造になっており、また各国通貨がドルにペッグ(固定)されているため、金融市場は比較的安定しています。
--今後、MUFGの存在感をどのように高めていきたいですか?
勝田 私の最大の使命は、日本の銀行として、日本企業と中東をつなぐ“架け橋”になることだと考えています。自動車や空調設備、データセンター関連など、日本の優れた技術やサービスは、この成長著しい市場でまだまだ活かせる分野が多くあります。そうした日本企業をしっかりと支援し、現地の有力企業とのビジネスをつなぐことで、お客様と共に成長していきたいです。




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