ドバイ不動産購入のメリットとリスク

ドバイの不動産取引件数は2024年が18万件、25年は21万件超えのペースで推移しており、東京、ロンドン、ニューヨークなどの倍近い数字となっている。なぜドバイの不動産はこれほど人気を集めるのか。購入のメリットと、リスクについてまとめる。
(1)三拍子揃った魅力:高利回り×無税×成長性

ドバイでは、労働所得・投資収益・不動産売却益のいずれも非課税。固定資産税やキャピタルゲイン税が存在せず、税制面での優位性は群を抜く。法人税は23年に導入されたが、フリーゾーンでは免除または低減税率の適用がある。
25年時点の投資利回り(ROI)は平均6~8%で、東京3~4%、シンガポール2~3%と世界主要都市の中でも際立って高い。要因としては税制優遇のほか、観光・移住者・ビジネスによる賃貸需要の高さと、流動性の高さ、外国人所有権の自由度などが挙げられる。価格上昇率は年間平均5~7%。一部のオフプラン物件では、20~30%の急騰も記録されている。ドバイの通貨であるUAEディルハム(AED)は米ドルと固定相場制(1USD=3.67AED)で、ドル建て資産との親和性が高く、為替リスクを抑えられる点も魅力だ。さらに、近年では仮想通貨による不動産取引も一部で導入されており、デジタル資産との連動性も注目されている。

(2) 質の高い教育・医療を求める移住が増加中

物件の価格上昇を支えるのが、戦略的な都市開発。スマートシティ構想やAI・IoTの導入により、住まいそのものの付加価値も高まっている。年間2~4%という安定した人口増加率に加え、世界中の富裕層の流入が高級住宅市場を押し上げ、2020年比で約80%上昇した物件も確認されている。
治安のよさも後押しし、日本からの移住者も増加傾向に。医療水準は高く、予防医療や定期検診へのアクセスも良好。セカンドライフの拠点としての選択はもちろん、ドバイでの出産を選ぶ駐在員家庭も多く、子育て世代にとっても魅力的な環境だ。インターナショナルスクールの学費は高額だが、所得税・住民税が不要なぶん教育費に充てやすいという声もあり、他都市に比べると安価な選択肢も見つけやすい。英語はもちろん、アラビア語含め複数言語の授業を小学校低学年から習得。多くの学校がSTEAM教育にも注力しており、グローバル時代に対応した学びが整っている。
(3)リスクは必ず存在する

では、リスクはどうか?「不動産に絶対はありません」と語るのが、『資産運用観点で考えるドバイ不動産のポイント』にもご登場いただいた不動産エキスパートの東氏。「供給過多、政情不安、経済不況など不動産価値を下げるリスクは必ず存在します。“絶対に価値が上がる”ということはないので、よいことしか言わない不動産エージェントには注意してください」と警鐘を鳴らす。さらに「価値が2、3倍に上がると言う人がいますが、数字を出す場合には過去の価格推移のデータなど根拠を示してもらいましょう。デメリットを積極的に開示してくれる人こそ、信頼できるエージェントです。“代理で支払う”、“途中で売れるから、全額払えなくても大丈夫(途中で売る場合に確実に売れる保証はなく、値下げして売却せざるを得ないリスクがある)”という声掛けには特に注意を」とアドバイスする。
現在のドバイの不動産市場は需要過多の状況だが、今後供給過多となり、空室が増え家賃相場が下がるリスクはある。条件のよい物件であれば価値は保ちやすいが、同エリアに新築が増えたか、空室が増えたかなど、需給のバランスをウォッチしておく必要がある。絶対はないという点では、税制やゴールデンビザなどの制度に変更があり得ることも、頭の片隅に入れておきたい。





