AI活用で「予防医療」から「リスク予測」へ
UAEの医療制度で、従来の予防医療から病気になる前に健康リスクを察知して介入する「予測型医療」への移行が進んでいる。人工知能(AI)やビッグデータ解析、ゲノム医療、精密医療などを活用し、疾病や合併症につながるリスクを早期に発見する体制を強化している。
2026年には、こうした取り組みを象徴する複数のプログラムが始動。アブダビの国際医療イニシアチブ「Future Health」は「To Sense is to Predict(察知することは予測すること)」をテーマに、長寿・個別化精密医療、デジタルヘルス・AI、医療システムの強靱性・持続可能性、ライフサイエンス投資の4分野に重点を置く。
ゲノム分野では、アブダビの新生児遺伝子スクリーニングで、治療可能な815種類以上の遺伝性疾患を早期発見できる体制を整備。婚前検査では570の遺伝子を調べ、840種類以上の疾患に関連するリスクを確認する。患者の遺伝的特徴に応じて適切な薬剤を選択する「薬理ゲノム学」も活用している。
AIの応用も拡大しており、マンモグラフィー画像の解析のほか、敗血症や妊娠合併症、子どものてんかん発作などのリスク予測、糖尿病に伴う合併症を早期発見するための網膜画像解析などを導入している。
首長国医療サービス(EHS)が開始した「Healthy Longevity」では、ゲノム解析や再生医療、AIを組み合わせ、健康リスクや「生物学的年齢」を分析。心電図や網膜年齢、炎症指標、歩行・運動データなども活用し、慢性疾患の発症リスクを予測して個人ごとの予防策につなげる。
こうした先端技術と定期検診、健康啓発を組み合わせ、UAEは発症後の治療を中心とした医療から、疾病リスクを事前に把握して健康寿命を延ばす医療モデルへの転換を進めている。




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