「日本食が生む国境を越えた好循環」〜和食のチカラ。UAE市場を拓く

「日本の食のグローバル化」と聞くと、まず輸出拡大を思い浮かべる方が多いでしょう。もちろん、日本産の農林水産物や食品が海外で評価され、輸出が伸びることは喜ばしいことです。しかし、その本質はそれだけではありません。海外で日本食に親しんだ人が日本を訪れ、飲食店や観光地で消費を行うことで、国内の食産業や生産現場にも大きな効果が生まれます。

需要が増えれば生産者の意欲も高まり、地域の活性化にもつながり、さらなる生産や輸出への挑戦にもつながるでしょう。つまり、海外での日本食普及と国内での消費拡大は互いに影響し合いながら発展する関係にあります。私は、これこそが日本の食のグローバル化の本質であり、アウトバウンドとインバウンドが一体となって価値を生み出す姿だと考えています。

興味深いのは、その流れが必ずしも輸出から始まるわけではないことです。例えば、香港では納豆の人気が高まっているといわれますが、その背景には訪日を通じて納豆のおいしさを知った人々の存在があります。日本での体験が海外需要を生み、その需要が再び日本を元気にする。日本の食の未来は、こうした国境を越えた好循環の中にこそ見いだせるのではないでしょうか。

北川浩伸
1989年日本貿易振興会(ジェトロ)〈現・日本貿易振興機構〉入会。現在、ハリウッド大学院大学教授、実践女子大学客員教授。公益社団法人ベトナム協会理事など公職多数。rollo43@me.com

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