ドバイ会計士のビジネス最前線「フリーゾーンからのマネロン対策通知を放置するとどうなる?」

ドバイ法人オーナーで、フリーゾーン(特に『IFZAフリーゾーン』が多いように思われます)側からAML(アンチ・マネーロンダリング対策)関連の提出通知を受け取りながら放置し、罰金を受けている日系法人が2025年から2026年にかけて急増しています。
「不動産業や金融業に該当しない」「コンサル業務だけだから関係ない」と自己判断し、回答すら提出していないケースが目立ちます。しかし、フリーゾーンに登録するすべての法人には、たとえ非該当であっても「該当しない」という回答自体を提出する義務があり、無回答はそれ自体が違反とみなされます。

処分は段階的に進行します。最初の期限を過ぎるとIFZAからリマインダーと正式な警告書が送付され、内部記録にNon-compliantのフラグが立ちます。次の段階では、2024年内閣決定第71号に基づきAED50,000〜AED1,000,000(約215万〜4,300万円)の行政罰が個別案件ごとに賦課されます。さらに未対応が続くと、ライセンス更新拒否と就労・扶養ビザの新規発給・更新停止に進み、主要銀行は失効後30〜90日以内に法人口座を凍結します。
重要なのは「いかに早く気づいて行動できるか」

実務上の分かれ目は、フリーゾーンから通知が届いた段階でどこまで早く動けるかにあります。警告書の段階で提出書類を整えれば、対応コストは数万円〜10数万円にとどまります。しかし行政罰、ライセンス・ビザ停止に進むと、コストは一気に100倍以上に跳ね上がり、口座凍結や刑事訴追に至ればUAEでの事業活動そのものが不可能になります。
注意すべきは、AML関連犯罪には時効が適用されない点です。連邦法令第10号は、過去の違反であっても発覚時点で訴追可能と明記しており、「数年前のことだから大丈夫」という判断は通用しません。罰金通知への異議申立ても受領から30営業日以内に行う必要があり、期限を過ぎれば自動的に確定します。一方で、当局の調査開始前であれば自主開示(Voluntary Disclosure)により罰金が大幅に減額される余地があるため、未提出・誤提出に気づいた時点で動くことが重要です。
IFZA通知を受け取った際は、いかに早く状況を整理し、goAML登録・年次サーベイ・UBO情報の提出などの対策を打てるかどうかにかかっています。もし、AML通知が来て対応していない、想定外の罰金が来て困っている、などがありましたらお気軽にご相談ください。shingo@alwasiq.net

岡本信吾
Alwasiq Management consultantsジャパンデスク、公認会計士(CPA)。大手監査法人(EY)で5年間勤務後に独立し、東京都港区で税理士法人を開業。現在はドバイの日系企業向けに会計・税務サービスを提供している。
shingo@alwasiq.net
Alwasiq Management consultants
ドバイのビジネスベイにオフィスをかまえるドバイの会計事務所。ジャパンデスクを有し、100社を超える日系企業の税務アドバイザリーを行っている。
https://alwasiq.net/jp/




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